見識のある人なら、「こんな言葉を使うようでは、まだまだ大人になっていないなあ」などと軽く見られてしまっているのです。
「言葉遣いも知らない相手とは、大事な仕事を一緒にする気もないわ」などと、勝手に判断されて断られていることにも気付かないのです。
ごめんなさい
小さい頃から悪いことをして見つかった時には、「ごめんなさい」と謝ることを教えられました。
大きくなっても、何かヘマをするとすぐに「ごめんなさい」と言ってしまいます。
友人や仕事仲間の場合はこれで済むかも知れませんが、会社の上司に対して謝る時には、この言葉では軽々しく感じてしまいます。
舌を出して首をすくめて「バレちゃったか!」という感じなのです。
心からお詫びをする気持ちが伝わりません。
誠意を込めて謝罪する時には、「申し訳ございません(ありません)」というべきで、仲間うちでも迷惑をかけたなら「すみません」と謝るべきです。
「ごめんなさい」はごく親しい人に限るべきです。
こんにちは
休みの日に、目上の人と街中でばったりと会った時に「こんにちは」と声をかけてしまうことはありませんか?
ご近所や会社の仲間と出逢った時には、親しみを込めて「こんにちは」と明るく挨拶をするのは良いことです。
相手もきっと「こんにちは」と応えてくれるはずです。
しかし、上司や取引先の人ならば、「こんにちは」と単独で使うといかにも馴れ馴れしく聞こえてしまって失礼に当たります。
こんな場合には、「こんにちは」の後に「いつもお世話になっています」とか「先日はありがとうございました」などと付け加えます。
久しぶりに会った人なら、「大変ごぶさたしています」などと表現する方が、適度な敬意を表しているので印象も良くなるはずです。
「こんにちは」は単独では使わないようにしましょう。
頑張ってください
何気なく激励のつもりで相手に言う「頑張ってください」という言葉は、ビジネスの場では使わない方が良いと言われています。
マラソンで一生懸命走っている人に、沿道から「頑張って!」と声掛けする光景は微笑ましいものです。
しかし、仕事の場で提携先の会社の人に「頑張ってください」などと伝えることは失礼に当たるようです。
「頑張ってください」という言葉は、正しい敬語ではないと言われています。
というのも、「頑張る」とは何かに耐えて努力するという意味です。
だから「耐えて努力しろよ」と上から目線で言い聞かせているように映るのです。
また、このように激励するのは相手を(部下や目下の者を)いたわる行為でもあるので、本来は目上から目下に向けた言葉なのです。
上司が部下に「頑張れよ」と激励する言葉なのです。
目下の者が目上に、あるいは取引先の人に対して「頑張れ」という表現は避けるべきです。
「ください」という丁寧な言葉を付けても、主旨は同じですから使わない方が良いのです。
しかし、上司や取引先の人とも普段から親しくしている場合などでは、「頑張ってください」という表現も許せるかも知りません。
相手や状況に応じて使ってください。
分かりません
相手が何かを伝えようとした時とか、何かの質問を受けた時に「わかりません」と簡単に言ってしまうことは相手に失礼に当たります。
「私が言ったことに興味がなかったのか」とか「言っていることに価値がないと思ったのだろうか」と侮辱されたように感じるからです。
自分に理解する能力がないのか、聞き洩らしたので分からないのか、単純に知らないのか、理由を添えて分からないと伝えるべきです。
例えば、「飲み込みが悪くてすみません」とか単純に「存じません」「存じ上げません」で良いと思います。
あるいは、何かのことについて確認されている場合は、「その件については存じ上げません」と言うべきです。
「分からない(わかりません)」を敬語にすると、謙譲語では「存じ上げない(存じ上げません)」となります。
分かりました
「分かりました」も日常でよく使う言葉です。